シェムリアプは、アンコールワットの遺跡めぐりの拠点となる街で、首都のプノンペンへは車で5時間ほどかかるらしい。
時間に余裕のある旅だったら、プノンペンに立ち寄る長距離バスの利用ができたのだが、なかなかそういう訳にも行かず、また、不安だらけの初東南アジアの旅だったので確実な方法を選び直接シェムリアプまで来た。アンコールワットという大観光地へ。
アンコールワットの入場券は1日20ドルと、カンボジアの物価からみると非常に高い。貧乏旅行の私にだって高すぎる。昼を過ぎてから1日券を購入するのももったいなかったので、この日はシェムリアプの街を探索してみることにした。
オールドマーケットが宿から歩いて5分のところにあった。生鮮食品の他にシルク製品などの土産物屋などもたくさん入っていて、半ば観光客向けのようだったがそれでも十分にカンボジア人の生活をかいま見る事ができた。
土産物のエリアでは、色鮮やかな布地が積み上げられ、若い女性のカンボジア人が「安くするよー」「シルク、シルク」と巧みに日本語を操り客引きに一生懸命だ。日本語がわからないふりをすれば、中国語、英語、と他の言語もすらすらと出てくる。
一方、生鮮食品売り場は建物の中の方にあり非常に薄暗い上にハエもたくさん飛んでいてお世辞にもきれいとは言いがたい。しかし、生鮮食品は観光客はあまり買わないので、実際に買っているのは地元のカンボジア人。つまり売っている物はまさにローカル向け。これを見ずして帰れるか。
キュウリも大根も、日本の物とは少し形が違う。やはりマーケットは楽しいなぁ。そんなことを思いながら人ごみをかき分けながらうろうろとしていると、何やらおいしそうな物を食べている女の子達がいた。
かき氷のようだが、中にいろいろ入っていてなんだかおいしそうだ。
ベトナムで既に生水生氷(?)を食してしまっているのでもう怖い物はない。
(とはいえ、2〜3分迷ったが)
女の子達の横に座り、お店のおばさんに指を1本立ててみせた。
「これと同じのを1つ」
具材は選べるようで、何やらいろいろ聞かれたがもちろんわかる訳もなく。適当にうんうんとうなずいてみせると、おばさんはお皿に何やら入れ、その上からかき氷を削りそしてシロップのようなものをかけた。
中に入っていたのは、豆や芋ようかんのようなもので、以前台湾で似たような物を食べた覚えがある。それにはかき氷は入っていなかったが、芋とか豆とかが好きな私にうってつけのおやつだった。(冷凍豆花という名前だったと思う)
暑い中長い事うろついていたので、そのかき氷の冷たさと甘さといったら、至福のひとときだった。
隣のカンボジア人の女の子達はとてもシャイで、話しかけると恥ずかしそうに顔を赤らめていた。そしてお店のおばさんは親切で、食べ終わってお金を払う私に、1杯の冷たいお茶を出してくれた。
ベトナムとは違って、とても素朴な感じが漂っていた。
しばらくマーケット内をうろついた後、今度は外の通りへ出てみた。外は外でまた面白い。見慣れないものがたくさんだ。
斬新なディスプレイの靴屋
大量の干し肉(魚?)をぶら下げている店
駐輪場なのか、販売しているのか、ずらりとならんだバイクの数々。
焼きバナナを売る屋台。
夕暮れ時。そういえば、おなかも空いてきた。
今日の夕飯は路上レストランでカンボジア料理でも食べようか。
カンボジアチャーハンとアンコールビアで、乾杯!
なんだか楽しくなってきた。
浮き沈みの激しい一人旅、明日はいよいよアンコールワットに足を踏み入れる。
女一人旅を楽しんでいる人、他にもたくさんいます。